
契約時にお客様へ重要事項説明書を読んでいるときに、「住所(住居表示)ではないこの地番というのは、何なのですか?」とよく聞かれます。
不動産取引や土地・建物の管理において、「地番」と「住居表示」はそれぞれ異なる目的と管理主体を持っています。以下にその違いを詳しく解説します。
🏠地番とは
定義:地番は、法務局が土地の登記のために一筆ごとに付けた番号です。
使用目的:登記簿や固定資産税の課税対象として、土地の権利関係を明確にするために使用されます。
例:「○○市○○町1丁目123番4」など。
特徴:地番は土地に対して付けられるため、建物が建っていない土地にも存在します。
不動産は地番によって登記されています。我々不動産業者は登記簿を取得するために、※ブルーマップで地番を調べます。住居表示では、登記簿を取得することはできません。
※ ブルーマップ:ゼンリン発行の住宅地図に、法務局に備え付けの公図、都市計画情報を重ね合わせた地図のことです。公図の情報を青色で印刷しているため、ブルーマップと呼ばれています。登記情報の取得や不動産取引、建築確認、都市計画の事前確認など、様々な用途で活用されています。ブルーマップには、地番だけでなく、用途地域、容積率、建ぺい率なども記載されており、不動産に関する様々な情報を確認できます。
ブルーマップは、法務局や公立図書館などで閲覧できます。また、ゼンリンの事業所やオンラインストアで購入することもできます。
↑ゼンリンブルーマップ ※引用先:株式会社ゼンリン ホームページ
🏢 住居表示とは
定義:住居表示は、住居表示に関する法律(住居表示法)に基づき、市区町村が建物の位置を明確にするために定めた住所です。
使用目的:郵便物の配達や日常生活での住所表示として使用されます。
例:「○○市○○町1丁目2番3号」など。
特徴:住居表示は建物の玄関の位置などを基準に定められ、建物が建っていない土地には通常付けられません。
グーグルマップで場所を検索する際、皆様が入力をされているのは住居表示です。
🗺️ 地番と住居表示の調べ方
地番を調べる方法:
〇 法務局で登記簿を確認する。
〇 ゼンリンのブルーマップを利用する。
〇 市区町村の役所で地番図を閲覧する。
住居表示を調べる方法:
〇市区町村の住民課などで確認する。
〇郵便局の住所検索サービスを利用する。
〇インターネットの地図サービスで検索する。
📝 まとめ
地番と住居表示は、それぞれ異なる目的で使用される住所の表記方法です。普段の日常生活で地番を使用することはほとんどありません。地番は、不動産登記や税金に関する書類などで使用されるもので、住居表示(住所)とは異なります。日常生活では、役所への居住地の住所登録や郵便物の送付、各種サービスの申込みなどで、住居表示を使用することが一般的です。
地番は「登記で使うもの」、住居表示は「日常生活で使うもの」と考えれば良いでしょう。
株式会社 マスカット不動産
代表取締役 三原 和貴