
土地や建物の不動産を所有する場合、所有権は1人で持つ単有と、複数人で持つ共有があります。
不動産購入時に、複数人で物件の所有権を持つ共有名義を選択するケースとして、例えば、夫婦で住宅を購入する際にそれぞれが費用を出し合えば、持ち分割合に応じて共有名義で登記をしてお互いが物件の所有権を持つことが一般的です。
但し、不動産の共有名義には、不動産売却や賃貸をされる際の制限(共有者全員の同意が必要で、1人でも反対があればできない)や共有者間のトラブル、相続時の複雑化など、落とし穴も存在します。これらのリスクを理解せずに共有名義にすると、後々後悔することになりかねません。
共有名義を選択されることで得られるメリットとデメリットについて理解しておくのは重要ですのでこれからご紹介いたします。ぜひご参考になさってください。
【不動産共有名義のメリット】
1. 購入資金を分担できる
共有者それぞれが費用を負担することで、1人あたりの負担が軽くなります。夫婦・親子・兄弟などで協力してマイホームを購入したい場合に有効です。
2. 住宅ローン控除をそれぞれ受けられる
夫婦それぞれが住宅ローンを利用し、持ち分と借入金額が一致していれば、それぞれが住宅ローン控除を受けることが可能です。※収入や住宅要件など、個別の条件を満たす必要があります。
3. 相続対策として活用できる
親子で共有名義にすることで、将来的な相続トラブルの予防や相続税の分散につながる場合もあります。事前に所有権を明確にしておくことで、揉め事を防げます。
【不動産共有名義のデメリット】
1. 売却・担保設定に全員の同意が必要
共有不動産を売却したり担保に入れたりする際は、共有者全員の同意が必要です。
一人でも反対すると手続きが進まず、トラブルになることもあります。
2. 分割利用が難しい
不動産は物理的に分けるのが難しく、「誰がどこを使うか」といった利用方法を明確にしておかないとトラブルのもとになります。
3. 相続時に権利が複雑化する
共有名義のまま相続が発生すると、さらに複数人の相続人が関与し、「共有者が増える」→「売却困難になる」という悪循環に陥ることもあります。
4. ローンや税制面で制限がある場合も
共有名義でも、持ち分やローン契約の仕方によっては住宅ローン控除が受けられないケースや、贈与と見なされるリスクもあります。
ご相談はお早めに
不動産の共有名義は、将来的なライフプランや相続まで見据えて慎重に検討する必要があります。
「共有にしたほうがいいの?」「単独名義のほうが有利?」といった疑問があれば、マスカット不動産までお気軽にご相談ください。
株式会社マスカット不動産
代表取締役 三原 和貴