2025年01月23日
住宅ローン利用者は「変動金利型」が根強く
住宅金融支援機構が、2024年4月~9月までに住宅ローンの借入れをした20~70歳を対象に調査(2024年10月調査)を実施。2025年1月21日に調査結果を発表しました。
利用した住宅ローンの金利タイプは
「変動金利型」77.4%(2024 年4月調査比 +0.5%)
「固定金利期間選択型」13.5%(2024 年4月調査比 ▲1.6%)
「全期間固定金利型」9.0%(2024 年4月調査比 +1.0%)
・利用した金利タイプは「変動金利型」が約8割、「固定金利期間選択型」が約1割、「全期間固定金利型」は約1割で前回調査(2024年4月調査)と比べると半年で「変動型」が0.5%、「全期間固定型」が1%増加しています。
参考:2025年1月 住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査
出典:住宅金融支援機構 住宅ローン利用者調査(2024年10月調査)
変動金利で実際に適用される金利は、申込内容や審査結果によって決定されますが、超低金利(0.325%~0.5%)であることに加えて、住宅価格の高騰で月々の返済額を減らすために変動金利を選択される方が多いと推測されます。
変動と固定 どちらを選ぶ
「変動金利型」⇒ 低金利期は返済総額を少なく抑えられます。一方、借入後に金利が上昇した場合、返済負担が増加します。
実際には変動金利で金利が上昇したとしても「5年ルール」が適用され、5年間は月々の返済額が変わらないようになっています。さらに「125%ルール」により、たとえ金利が急激に上昇したとしても、月々の返済額は前回の返済額125%(1.25倍)を超えることはありません。これにより、契約者は金利変動の影響が緩和され、急な返済負担の増加を防げるようになっています。
ただし、実際には返済を先送りしているに過ぎず、最終的な返済総額が増加してしまうことは理解しておくべきです。
世帯年収が高く金利上昇に耐えられる方、共働きで返済がどんどんできる方、将来的に収入増が見込まれる方、金利上昇に備えて貯蓄がきちんとできる方が向いています。
「固定金利期間選択型」⇒ 固定金利選択型のメリットは、当初5年間、10年間など一定期間の返済額が変わらずに、安心して返済を続けられることです。その間に世の中の金利が上昇しても、自分が借りている住宅ローンの金利は変わらず、返済額も上がりません。 一方でデメリットは、固定金利期間中は同じ金融機関内の変動金利など、その時点で金利が低いタイプに変更することはできません。また、当初の固定金利期間が終了した後、その時点の金利が上昇していれば返済額が上がってしまうことです。
固定金利期間選択型に向くのは、今から一定期間子供の教育費の負担が大きい方です。「子供が大学を卒業するまでの10年間は返済額を絶対上げたくない」ということであれば、教育費に目途がつくまでの当初10年間固定金利を選択して、教育費ピークを乗り切る、という考え方もあるでしょう。
「全期間固定金利型」⇒借入当初の金利が支払い最後まで全期間変わらないタイプです。月々の返済額が支払い最後まで変わらないので、金利の動向を気にするのが煩わしい方、金利上昇に備えて安心をとりたい方、フラット35Sが利用できると当初の金利から優遇されるので対応物件を購入する方が向いています。
一方、返済期間中に金利が変動するリスクがないぶん、借入当初の金利が変動金利型や固定期間選択型よりも高く設定されています。返済計画が立てやすい反面、長期に渡り金利が上昇しなかった場合、他の金利型で住宅ローンを組む場合と比較した際、毎月の返済額・総返済額が多くなる点はデメリットになります。
住宅ローンは社会情勢や経済動向によって状況も変化します。これから住宅ローンを組もうと考えている方は将来のライフプランを見据えて、金利タイプを選びましょう。
株式会社マスカット不動産
代表取締役 三原 和貴